
すきっ歯の5つの治療方法と原因を解説【医師監修】自力で治す方法はある?

すきっ歯は見た目の印象だけでなく、発音や虫歯リスクにも影響を及ぼすことがあります。
気になっていても「本当に治療すべき?」「どんな治療法があるの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、すきっ歯の主な治療方法やそれぞれの特徴、費用相場、実際の治療例などをわかりやすく解説します。
あなたに合った最適な方法を見つける参考にしてください。
結論、すきっ歯の治療方法は以下の5つです。
- ◆ダイレクトボンディング :歯科用の樹脂で埋める方法
- ◆ラミネートベニア法:セラミック製のシェルを貼る方法
- ◆セラミッククラウン法:歯全体を削って被せ物をする方法
- ◆ワイヤー矯正:ワイヤーを使って歯を動かす方法
- ◆マウスピース矯正:マウスピースを段階的に取り替えながら歯を動かす方法

編集部
すきっ歯の状態やライフスタイル、ご予算などに合わせて、最適な方法を選んでいくことが大切です。
- ◆ すきっ歯の治療方法は、『被せ物』『隙間を埋める』『矯正』
- ◆ すきっ歯になる原因は、先天的原因と後天的原因がある
- ◆ すきっ歯矯正にはマウスピース矯正が安くておすすめ
- ◆ 安いマウスピースでおすすめはoh! my teeth




※当記事でおすすめしている商材は、清誠歯科編集部が独自調査に基づいて選定したものであり、医師は関与しておりません。
すきっ歯とは?
すきっ歯とは、歯と歯の間にすき間が空いている状態を指し、専門的には「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼ばれます。
前歯にすき間があると目立ちやすく、見た目のコンプレックスになりやすいのが特徴です。
すきっ歯の原因には、歯のサイズが小さい、顎が大きい、生まれつき歯の本数が少ない、生活習慣や癖などが関係していることが多く、成長期の影響や加齢によってすき間が広がる場合もあります。
放置すると虫歯や歯周病、噛み合わせの乱れにつながる可能性があるため、早めの対処が重要です。
すきっ歯の5つの治療方法
すきっ歯の治療には、審美性や治療期間、予算などに応じて複数の方法があります。
ここでは代表的な5つの治療法について、それぞれの特徴と向いているケースを詳しく解説します。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングは、歯科用の樹脂(コンポジットレジン)を歯のすき間に直接盛り付けて埋める方法です。
治療は通常1回で完了し、歯を削る量も最小限に抑えられるため、身体への負担が少ないのが特徴です。
色調も調整可能で、見た目にも自然な仕上がりが期待できます。
費用も比較的リーズナブルで、短期間で見た目を改善したい方に向いています。
ただし、強度や耐久性の面では他の治療法に劣り、経年劣化や着色、破損の可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要です。
ラミネートベニア法
ラミネートベニア法は前歯の表面を薄く削った後に、セラミック製の薄いシェルを貼り付けてすきっ歯を隠す治療法です。
自然な光沢と透明感があり、審美的な仕上がりを重視する方におすすめです。
変色や着色にも強く、比較的長持ちします。
ただし、健康な歯を一部削る必要があるため、元には戻せません。
また、極端なすき間や噛み合わせの問題がある場合は適用が難しいケースもあります。
治療は通常2回程度の通院で完了します。
セラミッククラウン法
セラミッククラウン法は、歯全体を削って被せ物(クラウン)を装着し、見た目やすき間を整える方法です。
すきっ歯の状態が重度で、歯の形状や色も改善したい場合に適しています。
クラウンは強度が高く、長期的に安定した美しさを保てます。
ただし、歯を大きく削る必要があり、治療の負担が大きくなる点がデメリットです。
また、治療費用も高額になることが多いため、審美性と機能性のバランスを考えたうえで選択する必要があります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯全体にブラケットとワイヤーを取り付けて、少しずつ歯の位置を移動させていく矯正治療です。
歯の根本からしっかり動かせるため、すきっ歯だけでなく全体的な歯並びの改善にも効果があります。
治療期間は1年半から2年ほどかかることが多く、見た目の問題や清掃のしにくさもありますが、確実性の高い方法です。
咬み合わせの改善や、再発防止にもつながるため、機能面でも長期的なメリットがあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを段階的に取り替えながら歯を動かしていく方法です。
取り外し可能で見た目にも目立ちにくいため、審美性を重視する大人の患者に人気があります。
すきっ歯の程度が軽度から中等度であれば十分対応可能です。
通院回数も少なく、生活スタイルに合わせて治療しやすい反面、装着時間を守らないと効果が出にくくなるため、自己管理が求められます。
また、重度のすきっ歯には適応しにくいことがあります。
すきっ歯になる6つの原因
すきっ歯の原因は見た目だけでなく、噛み合わせや口腔内の健康にも関わります。
結論、すきっ歯を引き起こす主な原因は以下の6つが挙げられます。
歯が小さい
歯が平均よりも小さいと、顎の大きさとのバランスが取れず、歯と歯の間にすき間が生じやすくなります。
これは「矮小歯(わいしょうし)」と呼ばれる先天的な歯の形態異常であることが多く、特に前歯に見られることが多いです。
歯が小さいと見た目にすきっ歯が目立つだけでなく、食べ物が詰まりやすくなったり、発音が不明瞭になるなどの機能的な問題も起こり得ます。
矮小歯が原因の場合は、矯正治療だけでなく、ラミネートベニアやセラミックなどの補綴治療が併用されることもあります。
歯の本数が少ない/多い
通常、成人の永久歯は28〜32本ですが、先天的に歯の本数が少ない「先天欠如歯」や、逆に多い「過剰歯」がある場合、歯並びに影響を与えます。
歯の本数が少ない場合、空いたスペースを埋められず、すきっ歯になりやすいです。
一方、過剰歯があると周囲の歯が押されて位置がずれ、結果的にすき間ができることもあります。
これらのケースでは、矯正だけでなく抜歯や補綴治療も検討されることがあります。
精密検査によって歯の本数を確認して治療方針を決めましょう。
上唇小帯の付着異常
上唇小帯とは、上唇の裏側から前歯の間に向かって伸びている筋のことです。
これが通常よりも下の位置まで伸びていると、前歯の間に物理的なすき間ができ、すきっ歯の原因となります。
これは特に乳歯から永久歯への生え替わりの時期に目立ちやすく、自然に治ることもありますが、永久歯になっても改善しない場合は小帯を切除する「上唇小帯切除術」が必要になることがあります。
切除後に矯正治療を行うことで、歯のすき間をきちんと閉じることが可能です。
舌や唇の癖
舌を前に出す癖(舌突出癖)や、唇を強く押しつける癖があると、歯に持続的な圧力がかかり、前歯が前方に押し出されてすきっ歯になることがあります。
これらは無意識のうちに行われていることが多く、子どもだけでなく大人にも見られます。
長期間放置すると歯列全体に影響を与え、矯正が必要になるケースも少なくありません。
癖が原因の場合は、矯正だけでなく、舌や口の筋肉をトレーニングする「MFT(口腔筋機能療法)」を併用して癖を改善することが大切です。
歯周病
歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨や歯茎が徐々に破壊されていきます。
これにより歯が動揺し、位置がずれてすき間が生じることがあります。
特に中高年以降の方に多く見られ、すきっ歯になるだけでなく、噛み合わせや咀嚼機能にも影響を及ぼしてしまうのです。
歯周病が原因の場合、まずは歯周治療を徹底する必要があります。
そのうえで、歯列の改善が必要であれば矯正や補綴治療が行われます。
すきっ歯が突然目立つようになった場合は、歯周病を疑うべきでしょう。
歯ぎしり
就寝中やストレス時に無意識に行われる歯ぎしりは、歯に過剰な力を加え続けることで、歯並びを乱す原因です。
歯が横に移動したり、上下のかみ合わせがずれることで、すき間が生じやすくなります。
歯ぎしりによるすきっ歯は、見た目の問題だけでなく、歯の摩耗や破折、顎関節症のリスクも伴います。
このような場合には、ナイトガードの装着やストレスケア、矯正治療を組み合わせて対処することが重要です。
歯ぎしりが原因で歯の隙間が広がっているなら、早期の対応が求められます。
すきっ歯による問題やリスク
すきっ歯は見た目の問題だけでなく、口腔内の健康や機能にもさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
歯と歯のすき間に食べ物が詰まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるのが代表的な例です。
また、発音が不明瞭になったり、空気が漏れるような話し方になることもあります。
さらに、噛み合わせのバランスが崩れることで、顎関節や筋肉に負担がかかり、肩こりや頭痛の原因となることもあるため、早めの対応が望まれます。
すきっ歯を矯正するなら早い方がいい
すきっ歯の矯正は、できるだけ早い段階で取り組むことが望ましいです。
年齢が若いうちであれば顎の骨の柔軟性が高く、歯の移動もしやすいため、比較的短期間での治療が可能です。
また、すきっ歯が原因で起こる虫歯や歯周病、発音の問題などのリスクを未然に防げます。
放置していると歯列全体のバランスが崩れ、治療が複雑化・長期化する恐れもあるため、気になった時点で歯科医院に相談するのが理想的です。
すきっ歯治療の流れ
すきっ歯を治療するには、段階を追って丁寧に進めていく必要があります。
ここでは、治療開始からアフターケアまでの一般的な流れを4つのステップで紹介します。
1.初診相談で悩みや程度を相談
まず最初に行うのが、歯科医院での初診相談です。
初診では患者の悩みや希望、すきっ歯の程度、口腔全体の状態を詳しく確認します。
見た目の改善を目的とするのか、機能性まで考慮したいのかなど、治療の方向性を定めるうえで重要な工程です。
歯科医師は視診や問診を通じて、すきっ歯の原因を特定し、どの治療方法が適しているかの大まかな見立てを立てます。
この段階で、気になる費用や期間などを相談しておくと、安心して次のステップに進めます。
2.検査や前処置を行う
治療方針を定めるためには、より精密な検査が必要です。
口腔内の写真撮影、レントゲン撮影、歯型採取などを通して、歯の位置や骨の状態、噛み合わせのバランスなどを詳しく調べる段階です。
また、歯石の除去や虫歯治療など、必要に応じて事前に処置を行うこともあります。
口内の環境を整えておくと、すきっ歯治療をスムーズかつ効果的に進められます。
3.治療方針に従って治療を行う
診断結果と患者の希望をもとに決定された治療方針に沿って、実際の治療を開始します。
ダイレクトボンディングなら1回の処置で完了しますが、マウスピース矯正やワイヤー矯正の場合は数か月〜数年の期間が必要です。
治療中は定期的に通院し、歯の動きや仕上がりの確認、必要に応じた調整が行われます。
また、治療の進行に応じて生活上のアドバイスがあることも多いので、医師とのコミュニケーションを大切にしましょう。
4.治療後は定期的なメインテナンスを行う
治療が終了したあとも、きれいな歯並びを保つためには定期的なメインテナンスが欠かせません。
矯正治療を受けた場合は、リテーナー(保定装置)を使用して後戻りを防ぐ必要があります。
また、被せ物や詰め物があるケースでは、破損や変色などをチェックするためにも半年に1回程度の通院が推奨されます。
メンテナンスでは歯のクリーニングも行われるため、虫歯や歯周病の予防にもつながり、長期的な口腔の健康維持が可能です。
すきっ歯の治し方に関するよくある質問・Q&A
最後に、すきっ派の治し方に関するよくある質問に回答していきます。
次の質問に回答していきますので、参考にしてください。
すきっ歯を自力で治す方法はありますか?
すきっ歯は基本的に自力で完全に治すことは難しいです。
口の周りの癖(舌で歯を押す、指しゃぶりなど)を改善することで、これ以上隙間が広がるのを防ぐことは可能ですが、開いた歯間を閉じるには専門的な治療が必要です。
市販のマウスピースや歯列矯正グッズの使用は逆効果になる場合もあるため、歯科医師に相談した上で治療方針を決めるのが確実です。
大人のすきっ歯は自然に治る?
大人のすきっ歯が自然に治ることはほとんどありません。
子どもの場合は顎や歯の成長により自然に改善することもありますが、大人では歯や骨格が完成しているため、放置しても改善は見込めません。
むしろ加齢や歯周病、噛み合わせの悪化によって隙間が広がることもあります。
気になる場合は、早めに歯科医院での相談を検討しましょう。
歯の隙間を直す方法はありますか?
歯の隙間を改善する方法にはいくつかあります。
矯正治療ではマウスピース矯正やワイヤー矯正を使い、歯を動かして隙間を閉じる方法が一般的です。
また、軽度であればダイレクトボンディングやラミネートベニアで隙間を埋めることも可能です。
症例によって適切な治療法は異なるため、まずは歯科医師に口腔内の状態を診てもらいましょう。
すきっ歯を直すのにかかる金額は?
すきっ歯治療にかかる金額は方法によって大きく異なります。
ダイレクトボンディングは数万円程度、ラミネートベニアやセラミッククラウンは1本あたり10万円前後です。
部分矯正は20万〜40万円、全体矯正になると80万〜100万円以上が目安です。
治療法と本数、クリニックの料金設定によって変動があるため、事前の見積もりが重要です。
歯の隙間を埋めるのは保険内でできる?
保険適用になるかどうかは、治療目的によります。
基本的に審美目的(見た目の改善)の治療は自由診療扱いとなり、保険は使えません。
ただし、歯周病の治療や咬合機能の改善など医療上の必要性があると判断されれば、一部処置に保険が適用される場合もあります。
詳細は歯科医院での診断によって異なるため、直接相談するのが確実です。
すきっ歯はイケメン度に影響する?
すきっ歯がイケメン度に影響するかは、個人の価値観や印象によって異なります。
ナチュラルで個性的と好意的に受け取られることもあれば、口元に清潔感がない、だらしなく見えると感じる人もいます。
芸能人でもすきっ歯をチャームポイントとして活かしている人はいますが、気になる場合は見た目の自信を高めるために治療を検討するのも一つの方法です。
まとめ
すきっ歯は見た目だけでなく、虫歯や歯周病、発音の問題など様々なリスクを伴います。
症状の原因や程度によって最適な治療方法は異なりますが、現代の歯科治療では多様なアプローチが可能です。
まずは歯科医院で相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。
早めの対策で、口元に自信を取り戻しましょう。
本院 院長

林 清誠
保有資格
- インプラントアソシエイトフェロー(の称号)認定
- 口腔インプラントフェロー(の称号)認定
- JIAD口腔インプラント認定医
- JSOI口腔インプラント専修医
- 軽度認知障害支援歯科医
- 口腔インプラント専門医
詳細を見る
経歴 | |
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1990年 | 八尾市立永畑小学校 卒業 |
1993年 | 私立清風中学校 卒業 |
1996年 | 私立清風高等学校 卒業 |
2003年 | 愛知学院大学 歯学部 卒業 |
2003年 | 大阪大学歯学部付属病院 口腔治療科 入局 |
2004年 | 医療法人中村歯科 勤務 |
2005年 | 小田歯科 勤務 医療法人布川矯正歯科 非常勤務 |
2006年 | あべの歯科 医院長就任 |
2007年 | 清誠歯科 開業 |
2010年 | 社団法人 日本歯科先端技術研究所大阪 理事 就任 |
2011年 | 愛知学院大学歯学部大阪府同窓会 大阪愛歯会 理事 就任 |
2011年 | 医療法人清誠 清誠歯科 開設 |
Certificate | |
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2003年 | Akashi Orthodontic Research Group LEVEL ANCHORAGE SYSTEM |
2005年 | Straumann Dental Implant System ‘Basic Course’ |
2006年 | FEBS CLINICAL DENTISTRY TRAINING COURSE |
2006年 | C.E.R.I研修会 大阪コース (Clinical Endodontic Reseach Institute) |
2008年 | Daemon System Certification |
2009年 | A Comprehensive Spline Implant Training Course (Advance) |
清誠歯科は患者様の歯の健康を追求することを第一に、最高の治療環境を提供することにこだわっています。
例えば、治療にあたって医師それぞれの専門知識を活かした治療方針カンファレンスを行い治療の質を高めています。
そして、各種セミナーや学会の参加によって常に最新の技術習得に努める努力を続けています。
また、歯科衛生士・助手においても、定期的に勉強会を開催するなど、医療サービスの向上に努めております。
また、駐車場を設けて、お車でご来院される患者様へも配慮させていただいたり、診療時間を日曜日や平日の20時半まで伸ばしたりというように、通院しやすい環境を整えることで、最後まで治療していただけるようにしています。